ナノバブルとは?

通常の気泡の約1000分の1のサイズ

ナノバブルとは?

1000μm
(1mm)

100μm
未満

液中に発生した気泡(バブル)にはそのサイズによって様々な特徴があると言われています。

※1mm=1000μm

通常の気泡
1mm以上

水中を急速に上昇して界面でパチンと弾けて消えます。 その泡の浮力によって上昇する作用を利用して、液中に混在した不純物などを分離させることができることは以前より知られています。「浮上分離」や「泡沫回収」などの技術として多方面で使われています。

マイクロバブル
1μm以上100μm未満

通常の気泡よりも小さいマイクロバブルは浮力が弱いためゆっくりと上昇しながら、さらに小さくなって界面にたどり着く前に消滅します。これは、内部の気体が周囲の水に溶解するためであり、そのためマイクロバブルは気体溶解能力が高いと言われています。

ナノバブル(ウルトラファインバブル)
1μm未満

ナノバブルは微量のイオンを含む水中で、かつある一定条件でマイクロバブルが発生した時に生成されます。そしてイオンが泡の表面に集まって無機質の薄い殻を作ると考えられています。 このようにして生成されたナノバブルは非常に安定的な存在となり、長期間残存することが出来ます。ナノバブルの大きさは50nmにも満たない真球状の粒子として観察されています。この非常に小さな気泡は、2万個を数珠繋ぎにしてもその大きさは1mmにもなりません。

ファインバブルとは

ファインバブルとは、直径が100μm(=0.1mm)より小さな泡のことを指します。 (2017年6月にISO規格によって定められた用語)ファインバブルには、気泡の大きさによって、1μm以上100μm未満...マイクロバブル1μm未満...ナノバブルとよびます。(ウルトラファインバブルと呼称されるものあります)

もっと詳しい情報をご覧になりたい方は

ファインバブル発生の仕組み

マイクロバブル発生の仕組み

マイクロバブルの研究は既に1980年代に始まっていました。マイクロバブルの大きさは毛髪の太さよりも小さな気泡であり、水と気体を攪拌するなどの方法で簡易的に発生することが可能です。
マイクロバブルは水中をふわふわと漂いながら縮小して、一部は液中に溶解をし、一部は液中で破裂すると言われています。発生したマイクロバブルはゆっくりと上昇する過程で外部の液体の圧力よって縮小をしていきます。ゆっくりと少しずつ小さくなり、内圧が高まった時に破裂する際にフリーラジカルを発生することが知られています。
内圧の高まりによって集積したエネルギーを濃縮して発散をさせる時に生じる効果、この特徴を利用して、汚染水の浄化、電子部品の洗浄や湖・海域の環境改善などの工学技術への応用が国内外で進められています。水と空気の持つ力を利用した技術であり、環境にも優しい技術として近年は注目を集めています。

ナノバブル発生の仕組み

一方、ナノバブルについては、その安定化(気泡が消滅せずに水中で残存)するメカニズムやそのナノバブルによる効果作用メカニズムが最近になって解明されたばかりの新分野です。
一般的に、ナノバブルは光の波長よりも小さな気泡のことを指し、水中で長時間にわたって安定的に存在することができます。 また、気泡中にさまざまな気体を満たすことで色々な反応・作用を起こすことができると言われています。例えば、O2を内包した酸素ナノバブルは動植物に対する活性効果、O3を内包したオゾンナノバブルは強力な殺菌作用を持つことが知られています。
ナノバブルは水と気体を基に作られた環境や人体にも優しいものであることから、新エネルギーとしての応用、活用に期待されることが多くなってきました。

ナノバブルには2つの大きな特徴があり、その特徴がもたらす作用が生物への生育環境に良い影響を与えるものと考えられています。

ナノバブル

2つの特徴

イオンの集積効果

ナノバブルの気泡周囲、気液の界面にはマイナス電荷が帯びていることが知られています。そのため、ナノバブルの周囲にはプラス電荷を帯びたイオンを引き寄せる力があります。肥料や微量要素の多くはプラス電荷を有しており、ナノバブルのマイナス電化に引き寄せられた各種肥料成分が、効率的に作物に供給されて肥料吸収を促進させます。

浸透性

ナノバブルの粒子サイズは一般的な動植物細胞よりも小さいことから、浸透性に優れ、細胞よりも小さなナノバブルが生体内の隅々まで行き渡ることによって細胞が活性化し、動植物の成長に大きな影響を与えると考えられています。

ナノバブル水を散布し微生物総数の増加

ナノバブルの土壌環境への影響

土壌菌について調べた結果、ナノバブル水を散布した区域は微生物総数が増えたという報告があります。
有機肥料の分解、吸収には微生物の働きが欠かせないため、この点においてもナノバブルの農業利用において有効な効果が得られています。微生物が活性化され増えることは土壌環境に多くの利点をもたらせます。肥料の分解作用への貢献は勿論のこと、団粒構造を促し、地熱を上昇させ、土壌環境の好環境に繋げることができます。
有機栽培が見直されている現在において、このような土壌改良効果から、今後の活用に期待がされている分野でもあります。

提供:川田研究所様

ファインバブル(マイクロバブル・ナノバブル)活用事例

マイクロバブル・ナノバブル(ウルトラファインバブル)の技術活用実例として一部を紹介します。

住宅設備機器関連

洗浄効果を目的とした商品が、一般消費者向けに扱いがされています。2018年のシャワーヘッドの登場により、日本国内の市場が急激に成長してきました。
浴槽内へのお湯に直接発生させる商品やペット向け商品など取り扱いが増えています。 洗濯機に付けられる簡易式の商品も販売がされています。

水・排ガス処理関連

工業用水や排液・湖や池などの水質浄化にも活用されています。水質内の酸素量を増やすことで好気性バクテリアを活性化させて、生物濾過の効果を高める狙いもあります。
地域環境の問題などの改善に繋がる手段として期待がされています。

水産物・農林業

水産業では養殖場への溶存酸素供給や漁船の生簀の酸欠対策、魚介類の保存に用いられています。輸送時の鮮度保持には窒素ガスを用いて不活性作用で利用されています。
農林業ではイチゴやトマト、レタス、ネギ、キクラゲ、花き、薬用植物などの栽培に、畜産業では臭気問題やウィルス対策などへ問題改善にオゾンガスなどを混用した実証、研究がおこなわれています。

洗浄

マイクロバブルを利用した洗浄は幅広く扱われるようになりました。洗浄時の省エネや洗浄時間の短縮、節水などを目的として様々な分野で応用、利用されています。
サービスエリア・パーキングエリアなどのトイレ洗浄、道路、橋梁、ガードレール、車両、部品、カット野菜、米、海産物の洗浄などにも用いられています。

医療

動植物への影響、効果から医療分野にも期待が持たれています。殺菌(滅菌、菌の抑止)などへの着眼からオゾンを利用した口腔内洗浄など医療分野でも実用、研究が進んでいます。
各種気体や薬剤などとの混用による新薬の開発などにも今後の活用が期待されています。

製品加工

研削加工や切削加工、製品の製造工程・プレス加工の改良などに用いられています。研削、切削時などの技術には異物の除去(洗浄)と摩擦低減の改良などと合わせた研究も進められています。

農業分野におけるファインバブル・ナノバブル

ナノバブルは現在、多くの可能性を秘めながら、その水と気体を基に作られた環境や人体にも優しいという特徴を活かし、近年では農業分野にも大変注目をされています。

露地から施設栽培まで

とりわけ当社では、開発以来、イチゴやトマトなどを中心とした果実系野菜、レタスやホウレン草などの葉物系野菜を中心に多くの作物にご使用いただいています。露地栽培から施設栽培、閉鎖型の植物工場まで多くの作物生産者様にご使用を頂いています。

ナノバブル

5つの発生方式

ナノバブルの発生方法には多くの企業や研究機関が日々取り組んでいます。現在もナノバブルを発生させる方法は1つではなく、数多く存在します。 各種発生方式によって作られたバブルの性質や発生方式の特長によって使用用途を考慮してご利用いただく必要があります。

また、発生させる装置も大量のナノバブル水を一度に作ることができる大型のものから簡易的に少量で作ることのできる従来よりも小型なもの、また省電力化されたものまで、使用目的に応じ環境によって選べるようになってきました。

01加圧溶解方式 気体を液体に加圧し、その後開放することで発生する方式
02エジェクター方式 液体に溶解した気体を撹拌などの変化を与えて発生する方式
03ベンチュリー方式 高圧な水流に圧力変化を与え、気体を注入して発生する方式
04微細孔式 細かな孔を開けた部品に気体を押し込んで発生する方式
05旋回流方式 旋回水流が生じる部品に液体を圧送して、気体を旋回剪断して発生する方式

ヤザワの気液二相流旋回方式

当社では、国立研究開発法人の「産業技術総合研究所(つくば)」と共同開発した技術である「気液二相流旋回方式」による発生方式を創業以来、採用しております。
この気液二相流旋回方式の特徴は低コストで安定したナノバブル水を作り出せることです。

低圧力のポンプで発生が可能

気体を自給して発生できるため、気体のボンベなどが不要

気液二相流旋回方式で繰り返し循環運転を行うことで高濃度のナノバブル水を作ることが出来ます。
農業利用ではこのようにして作られたナノバブル水を希釈して(薄めて)、灌水、または農薬や葉面散布材に混ぜて使用することで、根域の活性化や薬剤の吸収性を高めることにご利用をいただいています。

ナノバブル水の製造方法

  • ①ノズル内部に高圧力で液体を圧送します。
  • ②ノズル内部に圧送された液体は内部構造により高速に旋回された水流を作ります。
  • ③高速旋回の水流によって生じるマイナスの圧力によって気体が自給されます。
  • ④自給された気体は高速旋回流によって細かく剪断されながら低圧力域の液中に放出をします。
  • ⑤さらに循環運転を繰り返すことにより、微細なバブル「ナノバブル」を製造していきます。

当社では様々なお客様にご利用いただけるように幅広く商品をご用意しています。

ナノバブル植物活性水 (K-20L)

当社工場でナノバブル水を製造し、ナイロン袋に充填、段ボールパッケージングした商品を販売しています。
「作付け面積が小さい方」、「作付け面積は広いが試しに使用をしたい方」、「季節時期に応じてご利用をされたい方」にはこちらの商品がお勧めです。

ナノバブル水製造装置 (NEGSシリーズ)

ご自分で好きな時にナノバブル水が作れる装置の取り扱いをしています。
栽培されている作付面積に応じて、製造容量のラインナップもご用意しています。(50ℓ~300ℓタンク)
また、お使いになる栽培環境に応じて自動機能もお選びいただけます。お客様のご要望に応じて、ナノバブル水の製造からナノバブル水の供給までを自動で行うシステムのご提案もさせて頂きます。

お客様の声

実際にお使いの生産者様から、お喜びの声多数いただいております

  • 株が元気になり花が途切れなくなった」
  • 株疲れがなく、色艶もいい」
  • 根の張りが良い」
  • 「育苗期には肥料の吸収が良く、稲の育ちがいい」
  • チップバーンが劇的に減った」
  • 「農薬や葉面散布の効果が高まった」
  • 葉水の上がりが良くなった」
  • 寒冷期でも樹勢がいい」

地域JA部会様との取り組み

①JAほこた

茨城県の「JAほこた」様とは売買契約を結び、いちご生産者を中心にご利用を頂いています、いちご青年部会様との交流もさせて頂き、皆様のお声を参考に活動をしています。

②JAふじ伊豆 伊豆の国市地区

静岡県の「JA伊豆の国市」様ではいちご親株増殖施設に当装置を導入いただき、親株管理栽培にご使用を頂いています。大きな装置をご購入いただいて、生産部会員の方にもナノバブル水を配布、提供されて、いちご栽培にもご利用いただいています。

③JA香川県 ミニトマト協栄部会

香川県仲多度地区に所属するミニトマト部会様では次作の植え替え時期より、部会での共同で導入いただくことが決まっています。生産者の作付面積にもよりますが、部会の管理の下、皆様でシェアをしてご利用いただく形でスタートします。

もっと詳しい情報をご覧になりたい方は