イチゴ栽培の病害対策に革新をイチゴの病気 一覧に関して

イチゴ栽培の病害対策に革新を──ナノバブル水の力に注目

はじめに

イチゴ栽培において、うどんこ病・灰色かび病・炭疽病といった病害は、毎年多くの農家にとって悩みの種となっています。こうした病気は高温多湿や栽培環境の変化によって発生しやすく、農薬のみに頼った防除では限界もあります。

そこで近年、注目されているのが「ナノバブル水」です。私たちは、農業の持続性と高収量を支える次世代技術として、ナノバブル水の可能性に着目し、その導入・活用を推進しています。

本記事では、イチゴの主要病害に対するナノバブル水の有効性や、今後期待される活用法について解説します。

イチゴに多い病気とその課題

うどんこ病

葉の表面に白い粉状のカビが広がるうどんこ病は、光合成の低下による生育不良や、果実品質の低下を引き起こします。湿度が高く、風通しが悪い環境で特に発生しやすく、薬剤耐性の問題も年々深刻化しています。

灰色かび病

熟した果実に灰色のカビが広がる灰色かび病は、果実の腐敗によって収穫ロスが生じやすく、特に施設栽培では開花期~収穫期の管理が重要です。

炭疽病

果実や株元に褐色斑点や萎凋を引き起こす炭疽病は、一度発病すると急速に拡大するため、苗段階での予防や適切な灌水が不可欠です。

ナノバブル水とは?

ナノバブル水とは、直径数十ナノメートルほどの極小の気泡(ナノバブル)を高密度に含んだ水です。以下のような特徴があります:

  • 水中に長時間安定して浮遊する
  • 気泡が破裂するときに、微弱な衝撃やラジカル(活性酸素種)を発生
  • 気泡表面の電荷によって、微生物への影響が期待される

この技術を農業に応用することで、植物の根張り促進、病原菌の抑制、そして農薬使用量の削減といった多くの利点が期待されています。

各病害に対するナノバブル水の活用可能性

うどんこ病:葉面への効果が期待

香川県農業試験場などの調査によれば、正電荷を帯びたナノバブル水を散布したイチゴで、うどんこ病の発生が抑制された事例が報告されています。酸素ナノバブル水を用いた潅水によって、葉面や根圏環境が改善され、植物自体の抵抗力が高まることも期待できます。

このような報告から、ナノバブル水はうどんこ病対策としての新たな選択肢となる可能性があると言えるでしょう。

灰色かび病:ポストハーベストと栽培中どちらにも

収穫後のイチゴをオゾンナノバブル水で洗浄することで、腐敗を抑え、日持ちを改善する効果が期待されるという研究報告もあります。また、栽培中の葉や花に散布した事例では、有害な菌の存在比が減少し、植物に有益な微生物が増えるなどの変化も観察されています。

今後は、開花期から果実肥大期の管理ツールとしての導入も視野に入ります。

炭疽病:抵抗性強化と初期感染対策に期待

炭疽病に対しては、酸素ナノバブル水の潅水によって根の健康を保ち、植物の全体的な体質改善により、病気への耐性向上が期待されています。また、オゾンナノバブル水で苗や資材を処理することで、初期の病原菌を抑えることにもつながると考えられています。

現場では「ナノバブル水の活用を始めてから炭疽病の被害が目に見えて減った」との報告もあり、今後の可能性に注目が集まっています

農業現場での導入メリット

ナノバブル水は、以下のようなメリットが見込まれています:

  • 根圏環境の改善による作物の健全化
  • 農薬の使用量削減への貢献
  • 難防除病害の抑制補助
  • 収穫物の品質保持・日持ち向上
  • 化学農薬に依存しない環境負荷軽減型農業の実現

とくに、土壌病害・葉面病害ともに幅広くアプローチできる点が魅力であり、農業従事者の皆様にとって、次世代の病害対策ツールとなることが期待されます。

導入に際してのポイント

ナノバブル水は比較的新しい技術であり、次のような点に配慮することで、より効果的に活用できます:

  • 散布方法(潅水 or 葉面散布)の使い分け
  • オゾン濃度や使用頻度の調整(特に葉面散布時)
  • 現場の栽培環境とのマッチング
  • 他の防除資材・管理法との併用

まとめ

ナノバブル水は、イチゴ栽培における病害対策として新たな可能性を秘めた技術です。うどんこ病、灰色かび病、炭疽病などの主要病害に対し、直接的な作用や植物の体質改善を通じた予防的効果が期待されています

病害を「出さない栽培」へと転換するために、ぜひナノバブル水をお試しください。未来のスマート農業の一歩として、私たちはナノバブル水の力で農業の新しい可能性を拓いていきます。